いよいよ学園祭も秒読み。昭平達の学校は珍しく体育祭などが一緒になり五日間
も学園祭がある。
昭平達はその最後の日の文化祭二日目の午前にやることになっ た。
場所は体育館と小体育館(体育館の半分くらいの大きさの体育館がである)
と武道場(大きさは小体育館の2/3ほど、一番小さい)の三つのうちの中から
くじで武道場に決まった。
演出のマドンナ(小峰)は修一と忙しいせいか余り口 を聞いていない。
修一は一番キャストの中で下手で自分の役がようやく板につい てきたとこだった。
そして先日、前夜祭のリハーサルがあった。だがそのときは本番と全く関係ない
ことをやった。
本番は昭平が何かするらしいが、昭平が何をするかは誰も知らな い。
もちろん女子は前夜はリハーサルの通りだと思っている。
男子の一部が本番 に強行する計画だ
リハの翌朝の学校の駐輪場
修一:おはよ(元気なく駐輪場にくる)
浩介:おはよ(空を元気なく見上げている)
二人:は〜〜(二人とも最近悩んでいるようで、朝が早かった。現在朝の6時である)
修一:俺、駄目なのかな?やっぱ男として魅力ないのかな?
結局俺って女子に縁 がなかったのかな?(空を見る)
浩介:お前どうしたんだ?(二人とも空を見あげながら会話)
修一:最近、麻都佳ちゃんと話してないんだ。
浩介:でも、練習中よく話してるし居残りも二人でしてるじゃない?
修一:あれは劇の演出とキャストとしてだよ。
浩介:それでも話せるだけいいじゃない。僕なんか好きな相手が違う男と仲良く
してるとこ見たんだよ。
いや、それよりもう僕はその人のことが好きでないのか も知れない。
それに、僕の友達でその人が好きなやつもいるんだ
修一:・・・
ところ変わってバスのなか。昭平のとなりにかおりが座った。朝早く、バスは空いていた
昭平:おす!おはよう!
かおり:やっほー!おはよう!
昭平:お前、最近どうだ?
かおり:どうって?
昭平:その通りの意味さー
かおり:調子いいよ
昭平:そうか、ならいいんだ(「なにヤブから棒なこと聞いてんだ!俺!なに言
わしたいんだよ―」)
かおり:昭平はどう?
昭平:まーまー(じゃない!)
かおり:ならよかったね
昔から変わらないかおりの笑顔がそこにはあった。
いつも通りの、今まで通りの 、自分の知っている、自分の大好きなかおりの笑顔がそこにはあった。
久々のかおりとの自然な会話に昭平は少し緊張をしたが、なぜかうれしかった。
二人は暫く自分達のクラスの劇のことについて話した。
昭平はそんな内容話したくなかった。でも、自分の好きなかおりがいて、彼女が笑っている。
その事が昭平にとっては楽しかった。
かおり:で、三章のシーン。ホントに昭平は浩介のこと殴るの?酷くない?私のためにー?
(彼等の演劇はオリジナルなため、役の名前も実際のキャストと同じ名前にしてあった)
昭平:酷い!って、自分がそうさせるんだろ?(笑)それに劇なんだから
二人は学校までのたった数分間、昔のように話しをした。
昭平:・・・なんか二人話すの久しぶりだな〜
かおり:なにそれ?口説いてんの?
昭平:そんな風に聞こえた?
かおり:冗談よ
昭平:(「うん、そうだよ」って言ったらどうなってたのかな〜?
今言ってれば、明日の前夜でやんなくてよかったのに(ちょっと後悔)
かおり:ね〜・・・
昭平:前夜で俺・・・
かおり:なに?
昭平:頑張るから(「いかん!なに言おうとしたんだ!俺!」)
かおり:わたしもね
昭平は岡田とかおりのことが聞きたかったが聞かなかった。バスが学校につい
た。
ところ戻って駐輪場
修一:俺、座右の名守れてないわ。やっぱ、優しい男は優しくていんじゃないか?
それが俺の相手を思う気持の表れなら
浩介:そうだよな。僕もそう思うよ。(美雪のことを思った)
修一:偽りのない、俺なりの愛し方なんだ!それでいいだろ?女の子は何を求め
てる?
浩介:かっこよさ(ふと岡田を思った)
修一:素直に人を愛すことがカッコ悪いなら、俺はそれでもいい!
浩介:今のお前はカッコ悪くなんかないよ(「こんな俺よりよっぽどかっこいい
よ、修一は。」)
修一:飾ることにはもう疲れたよ・・・
浩介:そうまで言わなくても、、、相手を思うからこそ理想に近づこうと努力する。かっこいいことだよ!
修一:ありがとう
少しの間があった。そしていきなり浩介は言った
浩介:一度に二人を好きになったことはあるか?
修一:え?
浩介:いや。なんでもない!忘れてくれ。
修一:二人を好きになることはないよ。だって本当に好きな子は、実はその二人
のうち一人なんだよ。
人は同時に二人の人を愛せない。愛すことはないんだよ・ ・・(ふと笑顔を見した。「わかるだろ」)
それからキャストの朝練があり、その日は授業はなく一日かけて学園祭の準備を
した。
大道具は順調に進み、キャストの演技にも研きがかかった。だかどうも他 のクラスにはある盛り上がりがなかった。
昭平と浩介と修一の調子が悪いからだ った。 そしてその日の劇練は終りほとんどの人は帰った。
鍵の開いた夜の体育館に昭平 がいた。
昭平:俺は明日。かおりに告白をする!
その頃、帰りの駅のホーム
麻都佳:私、最近あの頃の自分と違うみたい。
純子:え?
麻都佳:修一が私のことを好きだって言ってくれたあの日。私は本当に修一の全
てを受け入れたつもりだった。
でも、修一のこと何も知らなかった
純子:・・・
麻都佳:ただその時に嬉しかったから?それだけで私ふたこと返事でOKしちゃっ
たの?(悩)
純子:・・・
麻都佳:私って酷い?
純子:修一が麻都佳のことどう思っているか、考えたことある?
麻都佳:え?
純子:自分だけじゃないんだよ。
麻都佳:・・・
純子:修一だって変化はあったと思うし、悩んだときもあると思う。今悩んでいるのかも知れない。
でも、麻都佳のために変わって、気持を合わせてきたんじゃない?
麻都佳:・・・(泣)
純子:だから、自分があの頃と違うからなんて言わないで。
誰だって変わりはするけど、その度にまた変わればいいじゃない
麻都佳は声を出して泣き出した。どうやら今の自分の答えがでたようだった
その時、夜の公園 男子の二人も答えがでていた
浩介:僕らはカッコ悪くていい。自分に偽りを持ちたくない。
修一:でも、あの頃の大切な気持を忘れたくない
浩介:あの時思ったことは嘘なんかじゃない!
修一:あの時から変わりたくない。だけど今のままの気持ではなにも取り戻せな
い。
あの時の気持に戻ろう。今の気持を昔のころのように、、、変えよう!
浩介:変わろう!変わらないために!
修一:大切なものを忘れないために、俺は今の自分を忘れない!
浩介:変わりはしない!あの時の気持は全て嘘なんかじゃなかった!全部事実だ
った!
それぞれに道ができた一日だった。そしてその日は終りを告げた
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